広島県江田島市にて地域に根付く乗り合い文化を活用した「助け合い交通」を開始

地方自治体向けスーパーアプリ「パブテク」やAIを活用した行政支援ツール「パブテクAI行政」を開発・運営する株式会社パブリックテクノロジーズ（本社：東京都中央区、代表取締役社長CEO：青木大和、以下「当社」）は、2025年6月より、広島県江田島市の沖美地区を中心に、アプリで予約可能な『助け合い交通』の実証実験を開始します。

「無料の乗り合い交通」として実施される本プロジェクトは、住民間の相乗りを支援する当社初の取り組みであり、地域に根付いた相乗り文化をデジタル化でサポートし、高齢者を中心に移動手段の拡充を目指します。

取り組みの背景

人口減少・高齢化が進む瀬戸内海の島しょ部の自治体である広島県江田島市は、島内のマンパワーや人材に限りがあるため、以前から、地域課題の解決に向け、市外の企業・人材との連携やデジタル技術の導入に積極的に取り組んできました。

近年は、島内の路線バスの便数等も限られていることから、免許返納などにより、自動車等の運転ができない移動困難者の移動手段の確保が大きな課題となっており、デジタル技術を活用しながら、島内の乗り合い文化を活かし、課題解消を図ることができないかと考えていました。

こうした背景のもと、当社の地域に最適化された移動手段を共に創り上げていく姿勢や、テクノロジーを活用した予約・運行管理の効率化により、利用者やドライバーが気軽に乗り合い交通を運用できる点が評価され、官民が連携し、今回の実証運行を実施することとなりました。

また当社は、石川県小松市や佐賀県武雄市における公共ライドシェアの運行ノウハウを応用し、公共ライドシェアやAIオンデマンド交通とも異なる新しい実証実験として、AI配車機能の提供およびオペレーションの両面から江田島市をサポートしてまいります。

※画面はイメージです。他自治体の実例であり、現在検討中の仕様やサービス内容と異なる場合があります。

江田島市「助け合い交通」について

約1〜2ヶ月間を実証期間とし、「パブテク」アプリのAI配車機能を活用した「助け合い交通」を実施します。「パブテクAI配車」とは、利用者の事前予約状況に応じて運行経路やスケジュールを柔軟に決定するAIオンデマンド型（*1）の配車システムで、ドライバーが稼働可能な時間帯に乗り合いを希望する住民をマッチングする仕組みです。今回は導入に向けた実証実験のため、「無料の乗り合い交通」として実施されます。

江田島市では「あそこまで乗せていってあげるよ」と住民同士が乗り合う文化が長年親しまれてきました。こうした地域の特性をデジタルの力で支え、簡単かつ効率的に相乗りを実現する仕組みを構築することで、高齢者の外出を支援することを目指します。

（*1）AIオンデマンド交通とは、自治体が主体となり、タクシーやバス事業者の車両を活用し、利用者の要望に応じて運行ルートや運行時刻を柔軟に変更できる公共交通の仕組みです。当社が提供する「パブテクAI配車」は、公共ライドシェア・AIオンデマンド交通・予約運行型バスのすべてに対応しているだけでなく、タクシー同様の貸切型や複数の乗客を順次送迎する乗り合い型にも対応可能なことから、本プロジェクトにおける住民同士の相乗りを実現しています。

実証運行概要

担当者からのコメント

江田島市福祉保健部高齢介護課 重田あゆみさん

高齢者アンケートで聞く困りごとの上位にはいつも「移動手段」がありました。地域内での移動に不安を抱えている方に何かいい移動支援ができないかと考え、パブリックテクノロジーズさんと連携し実証実験のプロジェクトをスタートさせることになりました。

沖美町エリアはバス停に行くにも距離があったり、急な坂道など高齢者の移動がとても困難な場所が多いです。

今回は地域の顔見知りが運んでくれる身近な移動手段の一つとして、また、地域の交通を考えるきっかけになれば、と考えています。江田島市の「乗り合い」の地域性を活かしたシステムにしていきたいですね。

今後の展望

本実証実験は、地域に根付く相乗り文化をAI配車システムでサポートする全国的にも珍しい取り組みです。実証運行で得られる知見は貴重であり、今後の持続可能な交通モデルの構築に活用させていただくと同時に、地域の助け合いをデジタル技術で支え、拡張することで、誰もが安心して移動できる環境づくりを目指します。

パブリックテクノロジーズは、これまで培った知見と技術を活用し、自治体の皆様とともに持続可能な地域交通の実現を推進してまいります。当社の取り組みにご関心をお持ちの自治体関係者の皆様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。